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「社長の言うことが絶対」
「社長の機嫌が悪い日は、会社全体の空気が重くなる」
「明らかにおかしいと思っても、誰も社長に意見を言えない」
そんな会社で働いていると、「自分が気にしすぎなのかな」「中小企業ならこんなものなのかな」と思ってしまうことがあります。
私が最初に就職した会社も、まさにそうでした。社長が「ああしろ」と言えば、その通りにする。疑問があっても、正面から意見を言える人はほとんどいません。
さらに社長の身内も会社で働いていて、一般社員とは違う「特別な立場」にいるように感じていました。
私はその会社で3年間働きました。
そして今振り返ると、つらかったのは社長が怖かったことだけではありません。
社長に怒られないことが、仕事を正しく進めることより優先される会社になっていたこと。
そして、どれだけ頑張っても、この会社で自分が上へ行く未来が見えなかったこと。
この記事では、実際にワンマン社長の会社で3年間働いた経験から、よくある特徴と、そこで働き続けることに限界を感じたときに考えてほしいことをまとめます。
この記事でわかること
- ワンマン社長の会社によくある特徴
- 社長の身内が優遇される会社で感じたこと
- 社長が怖くて辞められないときの考え方
ワンマン社長についていけないとき、まず確認したいこと
「ついていけない」と感じたときは、今の会社で働き続けられるかを、次の3つから整理してみてください。
- 違う意見や、仕事上の問題を正直に伝えられるか
- 努力や成果が正当に評価され、今後の働き方に期待できるか
- 社員の健康や安全が後回しにされていないか
ワンマン社長とは?
社長が会社の最終的な意思決定をすること自体は、当然おかしなことではありません。特に小さな会社では、経営者の判断が会社の方向性に強く影響することも珍しくないでしょう。
問題なのは、「社長が決める会社」と「社長に誰も逆らえない会社」は違うということです。
現場の意見を聞いたうえで最終判断をする社長と、自分と違う意見そのものを許さない社長では、会社の状態は大きく変わります。私が働いていた会社では、次第に「何が正しいのか」より「社長にどう思われるか」が重要になっていました。
ワンマン社長の会社によくある8つの特徴
1.社長の言うことが絶対
一番わかりやすい特徴です。社長が言ったことに対して「それだと現場では難しいです」「こちらの方法の方が効率的です」といった意見が普通に言えるなら、まだ健全だと思います。
しかし、誰も何も言わない。というより、言えない。
私のいた会社にも、そんな空気がありました。昔から続いている非効率な方法を変えようとしても、改善そのものを嫌がられる。合理性より「今までこうだったから」が優先されることもありました。
2.社長の機嫌で会社の空気が変わる
社長が機嫌のいい日は普通。機嫌が悪ければ、社員が必要以上に緊張する。こうなると社員は仕事ではなく、社長の顔色を見るようになります。
「今日は話しかけない方がいい」「今これを報告したら怒られる」。そんなことを考えながら働く時間が増えていきます。
本来、仕事で考えるべきなのは顧客や業務のことのはずです。それなのに、いつの間にか「今日の社長の機嫌」が重要な業務情報のようになってしまう。
3.悪い報告ほど社長まで届かない
社長に怒られることを社員が極端に恐れると、現場で問題が起きたときに正しく報告できなくなります。問題を小さく見せる。都合の悪い部分を変える。場合によっては、問題自体をなかったことにする。
私自身、立場の弱い後輩として責任を押し付けられたり、自分の名前を勝手に使って説明されたりしたことがありました。
「問題を解決すること」より「社長に怒られないこと」が優先される組織になっていた。そこに根本的な問題があったのだと思います。
4.社員同士でも責任の押し付け合いが起きる
上から強い圧力がかかる組織では、その圧力が下へ流れていくことがあります。上司は社長に怒られたくない。先輩も責任を負いたくない。すると最後に、立場の弱い社員や後輩へ負担が集まる。
私がいた会社でも、後輩だからという理由で車を運転するのが当然のような空気がありました。毎日23時、24時まで働き、十分に眠れていなくても翌朝から運転する。私は実際に居眠りをして、追突事故を2回起こしました。
事故を起こした責任はもちろん私にあります。しかし今考えると、「なぜ何度も居眠りするほど疲弊しているのか」を会社全体で考える環境ではありませんでした。
5.効率より社長のやり方が優先される
「もっと簡単にできるのに」「この作業、本当に必要なのか?」そう思っても変えられない。改善案の中身ではなく、「社長がどう思うか」で判断されるからです。
新しいやり方を提案すること自体が面倒になり、社員も次第に何も言わなくなります。すると会社はさらに変わらなくなります。
最近では、SNSでの見え方を強く意識する経営者もいます。高級車、高級時計、ハワイなどの海外旅行といった華やかな生活をSNSで発信すること自体は、経営者個人の自由です。
ただ、社員の給与は何年も上がらない。残業代も十分に支払われない。人手不足なのに待遇改善もしない。その一方で、経営者だけが派手な生活を発信しているとしたら、社員が「自分たちは何のためにここまで働いているんだろう」と感じるのも無理はありません。
問題なのは高級車に乗ることではなく、会社を支えている社員への還元や職場環境の改善を後回しにして、自分をよく見せることばかりが優先されていないかです。
SNSでは会社が成功しているように見えても、その裏側で働く社員まで豊かになっているとは限りません。
6.社長の身内が特別な立場にいる
私が働いていた会社には、社長の身内も働いていました。そして一般の社員から見ても、身内であることによる「特別な立場」は感じていました。
給与も他の社員と比べて良かったですし、社内でも大きな顔をしている。さらに、取引先の人たちもその人が「社長の身内」であることを知っていて、持ち上げられ、特別に扱われているように見えることがありました。
もちろん、経営者の家族が会社で働くこと自体がおかしいとは思いません。本当に能力があり、結果を出しているのであれば、重要な役職に就くこともあるでしょう。
私が問題だと感じていたのは、一般社員がどれだけ頑張っても、その身内より上へ行ける未来がまったく想像できなかったことです。
毎日遅くまで働く。会社のために結果を出す。経験を積む。それでも、その先にあるポジションが最初から決まっているように見える。
「自分はこの会社で何を目指して頑張っているのだろう」と思うようになります。
5年後、10年後に自分がどこにいるのか。努力や実績によって正当に評価され、上へ行ける可能性があるのか。私には、その未来が見えませんでした。
社長が絶対的な存在で、その身内も特別な立場にいる。さらに取引先までその関係性を理解して持ち上げている。そんな環境に長くいると、会社そのものが一つの「身内の世界」のように感じられてきます。
そして一般社員である自分は、どれだけ頑張っても結局その外側にいる。私にとって「この会社にずっといる未来はない」と考えるようになった理由の一つでした。
7.社員が会社の異常さに慣れている
私は入社して1〜2週間ほどで、ストレスから胃を悪くして仕事を休みました。そのときに言われたのが、「弱いな」という言葉でした。
しかし、私はその会社が初めての就職先でした。比較対象がありません。だから「社会人ってこんなものなのかな」「自分が弱いだけなのかな」と思ってしまいました。
長く同じ環境にいると、その会社独自の常識が、自分にとっての「普通」になっていきます。
8.「辞めたい」と言うことすら怖くなる
それでも私は、社長へ「辞めます」と伝えることが本当に怖かった。辞めると決めてからも、何日か電話をかけられませんでした。
最終的には車の中で、「12時になったら電話する」と決めました。12時になっても怖かったので、スマートフォンの画面を見ず、目を閉じて「どうにでもなれ」と思いながら発信ボタンを押しました。
今考えれば一本の電話です。しかし当時の私には、人生を左右するほど大きな行動に感じられました。社員が退職の意思を伝えるだけでそこまで恐怖を感じる。それ自体、その会社と社員の力関係を考える材料になると思います。
「社長が厳しい」と「ワンマンで危険」は違う
厳しい社長がすべて悪いわけではありません。仕事に高い基準を求める経営者もいるでしょう。
厳しさだけで判断せず、社長自身が間違いを認められるかも、考える材料になります。
ワンマン社長についていけないのは「甘え」なのか
私はそうは思いません。人によって合う会社、合わない会社があります。
強烈なトップダウン型の会社で力を発揮できる人もいるでしょう。逆に、自分で考え、意見を出しながら仕事をしたい人にとっては苦しい環境になることがあります。
さらに、頑張った先のキャリアまで見てほしいと思います。今の会社で5年働いたらどうなっているのか。10年働いたらどうなっているのか。給与は上がるのか。実績を出せば昇進できるのか。
私は当時、それを考えても明るい未来を想像できませんでした。大切なのは、「自分が弱いから耐えられない」と決めつけないことです。
私は3年間働きました。しかし今は、「3年間耐えたから正しかった」とは思っていません。会社にとっての3年間より、自分の人生にとっての3年間の方がはるかに重いからです。
社長が怖くて辞められないときに始める準備
ここは私自身が経験したので、簡単に「電話一本すればいい」とは言いたくありません。私もその一本が怖くて、何日もかかりました。
ただ、今すぐ退職できなくても、準備はできます。
- 家賃・食費・通信費など、毎月必要なお金を書き出す
- 求人を見て、給与・仕事内容・休日を今の会社と比べる
- 給与明細や雇用契約書、勤怠記録など、自分の働き方を確認できる資料を整理する
私自身も、会社で働きながらお金を貯め、次にやりたいことを勉強し、準備ができてから退職しました。
「今日辞めること」と「今日から辞める準備を始めること」は別です。まず後者からでもいいと思います。
どうしても会社と直接やり取りできない場合もある
一方で、すべての人が私のように社長へ直接電話できるとは限りません。
- 強い引き止めを受けている
- パワハラがある
- 会社から連絡が来ること自体が怖い
- 有給、未払い残業代、退職金などについて会社との交渉が必要になる
そうしたケースでは、自分一人だけで抱え込む必要はありません。退職代行という方法もありますし、会社との交渉が必要なケースでは、弁護士へ相談するという選択肢もあります。
大切なのは「退職代行を使うべきかどうか」ではありません。自分の状況に応じて、会社を離れるための方法を知っておくことです。
会社と直接やり取りするのが怖い方へ
弁護士による退職代行という選択肢もあります。
引き止め・パワハラ・有給や未払い残業代など、会社との交渉が必要なケースも相談できます。
ワンマン社長の会社から離れて分かったこと
会社にいる間、社長という存在はとても大きく見えていました。何を言われるのか。怒られるのではないか。辞めると言ったらどうなるのか。そんなことばかり考えていました。
しかし会社を離れれば、その人はもう自分の人生を決める存在ではありません。
私は退職を伝えたとき、もちろん引き止められました。それでも話し始めると、不思議なくらい言葉が出てきました。理由は単純だったと思います。私は、本当に辞めたかったからです。
会社を離れることが決まったとき、給与がなくなる不安より、新しい環境へ行ける喜びの方が大きかったことを今でも覚えています。
今、ワンマン社長についていけないと感じているなら、「自分が弱いのか」だけを考えないでください。
- 社長の言うことが絶対になっていないか
- 問題を正しく報告できる会社なのか
- 努力や成果が正当に評価される会社なのか
- 社員が社長の機嫌ばかり気にしていないか
- その会社で働き続けた5年後、10年後の自分に期待できるか
一度、会社の外から見るつもりで考えてみてください。会社は人生のすべてではありません。
社長も、あなたの人生を決める人ではありません。

